実家へ里帰りして4日間。ホテルでの還暦祝いの後は、おおみそか、元旦と実家で母が腕をふるって作ってくれたごちそう攻めの毎日だった。父はきっとこの4日間のスケジュールを綿密に立てていたのだろう、そばを孫と打ち、お雑煮を作ってふるまい、神社に連れて行き、農園で収穫とたき火、そしてとっておきのワインでしめくくる。おおみそかの夜に次男が食べ過ぎですこし調子を崩した他はすべて順調に事は運んだ。この4日の為にどれだけ父と母は準備をしてくれたことだろう。母の作ったおせちや、ごちそうの為の買い込んだ食料の量ははんぱじゃなかった。
いよいよお別れの朝、夜明け前から母は一人起き出して5人分の手作りの弁当を作ってくれた。父はきっと子どもよりもいつくしんで育てた野菜を惜し気もなく帰る私達の荷物といっしょに持たせてくれ、子供だけでなく私にまでお年玉をくれて、満面の笑顔で送り出してくれた。子供たちは映画やショッピングに行ったわけでもなく、じーじ、ばーばの家でそばを打ち、畑のわきで遊んだだけで、あとはオセロとテレビくらいだったのに、祖父母とわかれて車が走り出した後、「あー、大阪楽しかったねー!」の言葉には本当に実感がこもっていた。
親孝行するつもりが、今回も甘えっぱなしの里帰りだった。
帰省ラッシュに巻きこまれ、帰路は12時間もかかったが、心はすっかり満たされて、また元気に一年、がんばれる気がしています。ありがとう、お父さん、お母さん。