となりの芝生は青く見える

永遠の途中 (光文社文庫)

永遠の途中 (光文社文庫)

旅中の暇つぶしに軽めの文庫本を何冊か持って行く。
これは2人の元OLの同僚の主人公が出てくる。
乃莉子は独身で、働く道を選んだかっこいい女性。薫は社内結婚して専業主婦の道を選んだ女性。
2人が27歳のとき、33歳のとき、39、45、57・・・と年齢を重ねていくそのときどきを交互に綴っている。
そのときどきで感じる思いはとてもリアルで(どっちかというと私は薫のほうに境遇は近いが)怖いくらいにグサグサと、女だよね〜っと苦笑したくなる文章が続く。
何回も出てくる「あのときあの道を選んでいたら・・・」
お互いが相手の生き方を時にはうらやみ、時にはさげすみ、ああできたら、ああしないでよかった、と言いながら、・・・そして年月は過ぎ・・・。



最後の方に印象的な言葉がある
「もっと自分の生き方に、自信を持って生きれば良かった」



選ばなかった方の人生なんて、実はないんだ。



すごーく軽い小説だったと思ったのに、
実は重ーいテーマの小説だった。