シアターコクーン@渋谷

井上ひさし作、蜷川幸雄演出の道元の冒険という芝居を観に行った。
終わり方にはいささか強引さを感じたけれど、いろんな意味で見ごたえがあった。
3時間という長丁場(途中休憩はあるけれど)、飽きさせない展開の早さ、あちこちにちりばめられたブラックユーモア。
これが実際に曹洞宗の住職さんが見たらどう思うかはまた違う感想だとは思うけれど、
テーマはわかりやすく、仏教の教えのいくつかも、すごくよく理解できた。
そして阿部寛の存在感ったら・・・。



それよりもなによりも、役者っていうひとたちの発声のすごさに圧倒。
セリフはほとんどが早口だ。
それがこの舞台のスピード感の一つの一因だろうと思うけれど、
だからといって声は最上階の奥の席だったけれど
聞き取れないことはない。
本当に滑舌よく、お腹の底から出ている声・・・しゃべり言葉とちがう、舞台の声。
そして劇中の歌の数々・・・ミュージカルじゃん!!!
役者は演技だけできればいいんじゃないんだなあ、ダンス、歌もすごかった。


そして、体当たりの演技。
役者って体力勝負だ・・・きっとそれだけ鍛えてるんだ。
裏ではほとんど走りまわっているんだと思える舞台転換、役と衣装の転換。


プロだから、一流の演出家の舞台だから、当たり前・・・?
なんだろうか。
これができるからプロなんだと言ってしまえばそれまでだけど、
そうじゃないと思う。


一生懸命さは、真摯な心は、どんな舞台でも伝わるはず・・・
そのためには、それだけのことを、しないといけないんだということも、
いろいろと感じたお芝居でした。