自分の中に雷が落ちたみたいに衝撃が走って、絶対沖縄に行くんだ、って強く思ったのは、会沢芽美さんの一人芝居を保育園で見たのが最初だった。それまで、サンゴがきれいな沖縄、くらいにしか沖縄のことを知らなかった。
「あの時暗闇の中で 私は子どもを殺しました」
カセットテープの女優・北島角子さんの語りで始まる芽美さん作詞作曲の「もうひとつのせんそう」は、見終わった後、立ち上がれないほどの衝撃だった。

観光で日本中いろんなところへ家族と行ったけれど、「こどもたちにこの事実を教える」という、はっきりとした目的を持って家族旅行をしたのは初めてだった。もちろんシュノーケルや楽しいこともあったけれど、沖縄へ行ったことで、毎年この日子どもたちはニュースを見ると式典の映像の中にそれだけでない何かを感じているようだ。

半年前芽美さんの読谷のペンションを訪れたときも、「まだ終わってないのよ」と平和を伝え、基地を考える集会に出続けている芽美さんの真剣なまなざしに、「私はいったい何ができるだろう?」と思ったんだった。
・・・まだ、何もできていない。せめて、私がいつも接しているこどもたちに、すこしずつでいいから何かの折に自分の子どものようにこの事実を伝えることをしていけたらいいな、と思う。