母を娘たちにとられてひとり過ごしている父から農園の収穫物がどっさり届いた。どれもきれいに土を落としてあり、エンジニアの父らしくダンボールに隙間なく、きちんと新聞紙とビニールに包まれて詰められていた。出してみるとでてくるでてくる、たくさんの野菜たち。心配していたサツマイモもぷっくり太って、おおきなものがいっぱい。
 早速母が待ってましたとばかりに大学芋や、煮びたしや、漬物を作り始め、夜は今秋初めての鍋にして春菊やネギやべんり菜という菜っ葉をたっぷり味わった。長靴姿にチェックのシャツに麦わら帽子で畑で芋を掘っている姿が浮かんでくるようだった。