満開に近づいた桜並木を見上げながら、涙をちらして自転車に乗って家に帰った。職場でちょっと落ち込むことがあった。一生懸命やることが逆に人の輪を乱してしまうことがあるなんて、あまり考えたことなかった。浮いちゃだめ、ってことなのかな。たしかに周りが見えてなかったかもしれないけれど、そんなふうに評価されるとは思っていなくてちょっとショックだった。 でも、やっぱりどんなときも人と合わせていっしょに仕事する仲間、うまくやるために注意をしてくれたんだから、と前向きに考えよう。
 家に帰るといつもとかわらない子どもたちが、それぞれ新しいクラスのこととか、楽しそうに報告してくれた。あっという間に気分がラクになった。なによりやらなきゃいけないことが山ほどあって、落ち込む時間を与えてくれない。帰ってきただんなはなんのこっちゃわからないなりに、私の話をだまって聞いて、「おまえは悪くないよ、うまく伝わらないことはあるよな」と言ってくれた。ほんとに家族に助けられてるなーとしみじみ思った。