保育園で、管理栄養士の先生をお呼びしての勉強会があった。午前午後合わせて5時間近くのお話の中で特に印象に残ったのが、「ひと手間かける」ことの大切さ、という話だった。先生は大阪の人で、きずしが大好物だとか。きずし、と聞いて私以外の人はその料理が想像できなかったらしい。要するにしめさば。お魚屋さんでさばを買ってきて、おろして塩をし一晩置き、酢でしめて野菜や昆布とつけ込む。食べるまでに時間はかかるが、そうやって作ってくれた今は亡き母の味が忘れられないという。買ってきて、お皿に出したものと、そうやって手間かけて作ったものと、同じ食べるものでも意味が違うやん。そやろ?とおっしゃる先生は、話進むほどに、金岡団地に一人でお住まいだという。母が、祖父母が生きていた頃、週3回料理を作りに通ったところ。私も高校が近く、午前までで終わる時はお昼を食べに立ち寄った。時々母について買物にいき、なじみの魚屋さんで「今日は何がはいってんの?」「めいたかれいがおいしいで」などというやりとりを聞いていたものだが、もしかしてあの魚屋さんかも・・・なんて想像しながらうれしくなって話を聞いていた。時々祖父がとってくれる出前のお寿司もうれしかったが、やっぱりそこでよく食べた魚と豆腐の煮つけと、祖母がご飯のときに必ず焼いてくれた焼き海苔と、母の漬けた大根の葉の漬物の味のほうがよく覚えている。
今、さすがに母もよく作ってくれたきずしや、サワラのおろし蒸しなど、忙しさにかまけて作っていない。梅干しも教えてもらおう、とおもいながらもなくなれば母から送ってもらってばかり。でも、節分の日は、久しぶりに巻き寿司を、母の味で、作ろうかな。(これも関西だけなんよねー。恵方の方角向いてまるかぶりするのは・・・)