ひめゆり そしてアブチラガマ

レンタカーを借り、すぐにでも泳ぎたい子どもたちをなだめすかしながら南部へ車を走らせる。糸満ひめゆりの塔、資料館を見学。何度も読んだ本をまた思い起こし、あどけない少女たちの一人一人の写真にまた悲しみを募らせる。「ぼくと同じ年だ」「この子かわいいのにね」壕から出て水汲みに行って被弾し腕をもぎ取られて亡くなった子、動けなくなって壕の中に置き去りにされた子、逃げる途中海に流された子、毒ガスにやられた子。この少女だけでない、多くの住民・兵の悲惨な死。
ひめゆりの少女たち」の本にあった軍の病院にされていたガマは、気をつけていないと見落とすくらいの案内板しかなく、その時にガマに入ったのは私達家族だけ。懐中電灯を借り、暗い穴へ降りて行くと中はずいぶん広く、ここは脳症患者、ここは武器庫、死体安置所、炊事場、などの看板だけがあり、懐中電灯がなければ本当に真っ暗闇。ここで息を潜めていなければならなかった少女たち。
 アブチラガマ http://www.vill.tamagusuku.okinawa.jp/rekishi/dentou/abuti.html
外へ出てきて海辺を走る。青い海、風光明媚ななんてきれいな島の風景。なのに、この場所で起こった悲惨な
事実。こんな歴史を背負っている沖縄。こどもたちは何かを感じてくれただろうか。