あえて書かなかった三線のこと

今までずーっと書いていたこと
でも最近あえて書かなかった三線のこと・・・



気持ちの中に、ちょっと変化があったので
正直に書こうと思います。
(長くなります)



昨年11月、コンクールで不合格、になってから
ずっとずっと苦しかった。
一生懸命やってきたはずだったのに、
それでも出来ていなかったことに気づいたこと。
練習で、至らなかったところ。
どこかに慢心の気持ちがあったことを指摘されたこと。
そして自分でも気づいたこと
克服できなかったところがあったこと・・・
それに加えて、「本番で緊張すると手が動かない」という自分に気づいたこと。
気づいて一気に自信を失ったこと。
それでも、それを克服するために、と思って、
自分も周りの家族もあきれるくらい、練習してきた・・・
この1年、課題曲の2曲を弾かなかった日は数えるほどしかない・・・




つもりだったのに。



3ヶ月前。
お稽古で、ひとりひとりやってみましょう、と言われて、やったとき。
あんなにやったつもりだったのに、
家で練習しているときは、普通に弾けるのに、
やっぱり緊張すると手が動かなかった。
もう一回、ってやってみたけれど、同じだった。
去年から9ヶ月近くやってきたのに、いくらやってもこれじゃ同じ。
また同じ結果。
どうしたらいいのかもうわからなくなって
「落ちたらどうしよう、とか考えずに無心で」とか
「自分に勝てばいい」「人に聞かせる、じゃなくて自分に聞かせる」
とかいろいろ言われても、無心でやってるつもりでも、
緊張している自分を克服するために、練習量を増やしても、
でもここでできても、「緊張すればできない」なら、一緒、
結局一緒じゃない・・・・!ってもう情けなさがピークになって、



「もうできません」って席を立って、
お稽古の途中で、帰ってしまった。
(梅ちゃん、たかしさん、いやな思いさせてごめんね、やじ先生すみません)



もう負のスパイラルだった。



そんな波を、1度ならず何度も経験し・・・



でも
最近考えが変わった



私にとってそれ(コンクール)がすべてだろうか?




結局、この過程で、私はいっぱい得てるものがあるはず
こんなにひとつ(厳密に言えば二つだけど)の唄を
繰り返し、繰り返しやることなんてなかった。
自分でいっぱい考えて、至るところにダメ出しもらって、また変えてやってみて・・・
去年1回で受かっていれば
ここまで深く掘り下げて、ばかみたいに考え考えて、精神面もいろんな鍛錬してってことは
なかったと思う。



もういいや。それだけで。



やればやるほど、本番はきっとやった分、
結果出したくなって、その重みがプレッシャーになって、
緊張して、できなくなるのは目に見えてる
(ほらそうやって、自己暗示かけるのが良くない!って言われるけど)。




それはそれでいいかな。そんな弱い自分も認めてあげればいい。
そんなことで、一喜一憂できるなんて、楽しい人生じゃん!!!








8月15日の終戦記念の日、鹿児島で
だんなの両親がお世話になっているショートステイの施設で、
40分間、ひとりでライブしてきました。
ちょうど終戦記念日だったので、「ひめゆりの唄」も唄いました
涙を流して聞いてくれたおばあさんが何人もいました。
ここでは私が三線やって何年だとか、コンクールで○○賞とってるだとか
そんなことは関係がなかった
私の思いを唄にこめて伝えて、一生懸命唄ったことで、拍手してもらった



それでいいじゃないかな、って心の底から思った



人にどう見られたいか
人にどう言われたいか 見せたいか
そんな私の奢りがある限り
きっと結果なんて出ないと思う



でもやっぱり出なかったらどうしよう、また落ちたら、って思うことも奢り
初心を忘れた私の心。



こんな思いも、かかえながら一方で、私は仕事があって、
他にもいろんなことがあって、子どもたちがいる家庭があって・・・
三線だけがすべてじゃない、ってことが自分にも分かるように
あえて今までここにはいろんなことは記さなかった。


でも・・・もう結果なんていい!
その過程が大事! 今なら胸張って言える。






以上、ずっと下書きに保存していた2ヶ月前の文章でした。
この後二ヶ月、またまたいろんなことがありました。
同じ心の動きをまた経験し、落ち込み・・・悩み・・・試行錯誤し・・・
指がとまるたびに、「落ちたときの苦しみ、悲しさはもういやだ、
と考えるばかりに余計に緊張し、その5分に対する重さがまし、不安が増大し、
指が動かなくなる」 の悪循環。
なんでこうなるの?いっぱいいっぱい考えて、ノートに書いて心を整理し、
整理しきれずぐちゃぐちゃになり・・・

それに、ここ最近、大事な友達が私に大切なことを教えてくれた。
三線弾けるだけで幸せ・・
唄えれば、音楽に触れられれば楽しかったのに、
何でそんなことで一喜一憂しているの?
自分の中でもそんな声がきこえてくる。
その日に沖縄にいければラッキー。いけない可能性だって数えればきりがない。
私の周りの皆が元気で、心配ごとがなくて・・・それでその日に臨めるかどうかなんて、わからないのに。


そんな2ヶ月間でした。



でも、「できない」「だめだ」の自分はもういない。
緊張で手が動かなくする魔物はもういない。



そして、失敗する自分は魔物じゃなく、自分であり
そんな
愛すべき私なのです。
だから 結果がまただめだったらどうしよう、じゃなく
こんな目標に馬鹿正直に一年努力してきた私を
ほめてあげたいと思います。
結果がどうであれ、ね。


・・・それがこの2ヶ月のいろいろの結果。





目標はないより、あったほうがいい。
目標があるなら、努力しないなら努力したほうがいい。
努力しない自分より、努力する自分がいればそれでいい。




だから、・・・あと一ヶ月ないけれど、
もうひとがんばりしようと思います。


終わり。