沖縄合宿報告

1日目

那覇空港関西空港から到着する母と待ち合わせ。
同乗のSさんと3人でヤンバル山学校を目指す。
途中Sさんが教えてくれた「大家(うふやー)」という有名なお店で
アグー肉のおいしい沖縄そばとジューシーご飯を食べる。

お店の庭に生えていた島バナナ。一気に南国気分。


買出しをして遅れて到着したら、農作業真っ最中
今日の宿泊は、湘南三線のど自慢大会にも出場された「シルバースターズ」の皆さん5人、
「宮地しょんがねー・・・」のメンバーのTさん、「相模結地方」のEさん、
そして茅ヶ崎三線クラブからは6人、計13人と師匠一家。・・・寝れる?
少々不安がよぎる。

ステージセッティング中。


芸達者勢揃いの参加者・・・いきなり盛り上がってすごい。
まだ明るいのに・・・



皆さんほんとにすごい。
そんななか 衣装持参でおお張りきりで登場した母。
南京玉すだれを披露。

私も衣装を着た母を見るのは初めて。
きっとうまくやったらこうは盛り上がらない。母の玉すだれだから楽しいのか・・・
私のルーツはここかあ・・・・

出番の後も得意技をいっしょうけんめい伝えようとがんばる。
私でも「かわいい」、って思った(^^)


そのうち仲本センセの「おい!」私の名前を呼ぶ声。とうとう来た・・・
ここ2ヶ月くらいずっと練習していた知名定男さん作詞作曲の「情け」という唄と、
豊年音頭を唄う。

かずこさんの18番「恋し鏡地」、そして「芋の時代」もご一緒に唄わせてもらう。


唄って踊って食べて、話して、飲んで・・・の初日終了。



2日目

庭のジャスミン。いい匂い。

マリリス
 
マンゴー。 
蒸し暑さはものすごいけど、ここはやっぱり楽園。

「汗水節」の踊りをかずこさんから教わる。
これをぜひどこかで出来るように“バサー”買って帰ろう!と決意。


おおかたの参加者が山学校を去って、ちょっとさびしくなった午後、
海へ。

虹が出迎えてくれた。



3日目

ディープとライトな一日だった(^^)


コザの照屋政雄先生のお店を訪ねる。
ここで話していただいた貴重なお話はまた後日・・・

染みなし節を唄う。ここでも教わって得たものたくさん。


午後は母の唯一のリクエスト、「美ら海水族館」へ



何回も沖縄に来ているのに、私も初めて。
想像していたより遥かに楽しかった。


夜、満天の星。流れ星を探していたら
流れ星じゃなくてホタルが・・・!

手の中で光ってました。



4日目 最終日
母は早い便で帰路へ。
私は残って、初日やらなかった農作業。
草むしり、剪定、リヤカーで枝運び・・・
炎天下で泥だらけで大汗かいて無心で身体動かしたら、
終わって帰る前に神様がプレゼントをくれた。


荷物をまとめて帰り支度していたら、
車の音と、犬の声。
窓から覗いたら山学校に入ってきたキャデラック。


降りてきたのは・・・知名定男さんだった。


先月、渋谷のパルコ劇場で大城美佐子さんとの「二人唄会」で
初めて生で唄を聴いたばかり。
恰幅のある、シルバーグレーのおひげの、あの、知名定男さん。
仲本先生とは旧知の仲で、
お昼の後のお茶のときも思い出話に何度も名前が出てきてはいたけれど、
このタイミングで来るか・・・?


3代目ネーネーズの一番若い女の子に「はじうすい坂」「汀間当」など
歌碑を回ってみせるためにヤンバルに来て、いるかな、と寄ってみたとのこと。


思わず握手してもらって、写真を撮ってもらって・・・・
仲本先生と話すときは二人ともウチナー口でちんぷんかんぷんで、
でも同じテーブルでぼーっと話すのを見ていたらいきなりこっち見て、



「あんた三線もってきて「情け」やってみなさい」



知らないひとにはわからないけど
知ってるひとにはこの出来事が
どういうことか想像できると思うけど


作詞作曲したヒトの前で、それもそのお方は「知名定男
できません、なんて言えるわけない。
それに、このうた、「好きな唄が見つからない」「唄い方がわからない」と悩んでいたとき、
師匠に「このアルバムから選んで、とにかく完コピ目指して唄ってみれば」
と渡された古謝美佐子さんのCDからもう一番に気に入って
ここ二ヶ月何百回も聴いて毎日唄っていた唄・・・・


その偶然に逆に怖くなったけど、
おっそろしく緊張して途中歌詞が出なくなって助けてもらったけど、
3番まで聴いてもらった。

耳覚えだった三線のアドバイスもらって
「がんばって」とお別れの一言もらったあとは、
もう腑抜け状態。
これは偶然じゃなくて、ただ沖縄が狭いから・・・?
すべてのことは必然なんだ、とこの前から私の周りで聞かれる言葉が頭の中に浮かぶ。


それでも那覇まで2時間、ひとりでレンタカー運転して帰らなければいけない。
緊張が残ったままの精神状態で、とにかく合宿所を後にした。



空港で荷物を預けて時間があったのでハイな気分のまま、
空港でネットで調べて、おもろまちの衣装屋さんを訪ねたら、
今日はなにか取り付いているのか、
一昨日合宿所で別れたえっちゃんにお店で肩を叩かれ、仰天。
こういう日も、あるんだね・・・。



おもろまちから国際通りまで乗ったタクシーでは
私の三線ケースを見て、もうすぐ70歳という運転手さんが、
「わしも三線最近練習中だよ、毎日6曲やってるんだ、西武門節、汗水節、十九の春・・・
三線はな、唄、三線、太鼓の順に覚えればできるようになるから、
ほら歌詞手元において、仕事中でも唄ってるさ」
タクシーの中で上り口説二人でうたって祝節囃して・・・
あ〜ここは私の普段やってることが日常でホントにあるんだ・・・
お互いがんばろ〜な〜と、手をふってタクシーを降りた。



最後の最後までいろいろあった。



今年・・・母を連れていったのは、
もちろん母にもこの景色、この場所を
見せてあげたかったのもあるし、
親子水入らずで旅行なんてしたことなかったから、
って言うのもホントだけど

2ヶ月前に予約するときはまだ、
ひとりで行くのがきっと
こわかったんだと思う。



「あんたは唄を知ってる。
知ってはいるけど唄ってない」
去年言われた、言葉。



去年の合宿がなければ、
今年がなかった。
去年はコテンパンにたたかれて、立ち直るのにいろんな人の力を借りて、
がむしゃらにやってきたのは、とにかく
「今年の合宿で二の足踏まない」ため、だった。


仲本先生は「何であんたにおこったのか」「今年の私はどうなのか」
いっぱいいっぱい話してくれた。


すべて持って帰ります。
そして、また歩いていきます。


ながながと読んでくださった皆様ありがとう。


以上、合宿報告でした!