人生やりなおせたら

子育て相談の場で、ママたち数人が年齢の話で盛り上がっていた。「29?」「私大台いっちゃった〜!」「わたしあと8ヶ月!」 私が横浜市の「子育て支援者」、やりだしたとき“子育てのちょっと先輩ママ”のつもりだったのに、もうひとまわりくらい、ママたちと離れてるんだな〜って、ちょっとびっくりした。


中学生の頃読んだ星新一のショートストーリーにこんなのがあった。
すごく不幸な子ども時代を送ってきた少女が科学者に出会い、タイムマシン(時をさかのぼれる機械)で小さい頃に戻り、最初からやりなおせるのだという。
少女は喜んでその機械の中に入り、十数年前に戻った。
でもそれは「やりなおせる」のではなく「戻った」だけ。
つらい苦しい時代を経てまた科学者に出会い、また、小さい頃に逆戻り・・・永遠に繰り返される・・・


若い頃、中学2年か高校くらいからやり直せたら、とかよく思った時期がある。
あの時こっちの道を選んでたら、とか、もうちょっとがんばってれば、とか。


でも、今は若いママを見ても、娘を見ても、「あの頃にもどれたら」とは思わない。
「戻れたらいいな」と思わない自分を発見して、「今」が充実しているからかな、と少し自分なりに納得した。
むしろこの先の自分を楽しみたい。

もちろん、この先若くなることはない。皺もふえるし、白髪も(もうちらほら)、若さゆえの特権はなくなっていく。鏡を見てため息、なんてこともこれから増えるだろう。

でも、みーんないっしょ。いつかはみな年老いる。
でも元気に年を重ねている人が周りにいっぱいいる。
苦労もいやなことも気がめいることもみんなとりこんで、でも楽しんでいこう、と思う。


お母さん、63歳、お誕生日おめでとう。