ボランティア

私が仕事を終えて職場を出る7時頃、カレーの匂いが漂っていた。土日に行なわれるイベントの準備でパート以外の職員は居残りで準備が終わるまで今日は帰れないという。お金を稼ぐ、ということは大変なことだ。責任を負うということはそれなりの覚悟が必要だ。ボランティアはそれがともすればいい加減で、「ボランティアだから」がやるべきことをちゃんとやらない言い訳になっていることが多い。会をまとめていると、そのへんの意識の違いに頭を痛める事が多い。「できることを、できる範囲で」というのがまして子育て中の私達には大原則だが、なんせ自分のなかの優先順位が低いので集まりは悪い、やる人が決まってくる、自分にメリットがないっと思うと手を引く、など問題は多い。また活動を続ける為には常に立ち止まって「どうしてこの活動をするのか」の意志確認が時々必要になる。これが仕事だったら、「決まってるやろ、仕事なんやから、金稼ぐためや」となるのだがそれがないので苦労する。でもそんな中手を抜かず誠実に心底ボランティアに使命をもって、なおかつ楽しんでやっている人に出会うと、他人がどうこうじゃない、自分が一生懸命やるだけだという初心に戻ることができる。その人達曰く「自分が楽しいから、自分の為だからやってるのよ、人の為に、なんて気持でやってたら続かない。」そのとおりだな、と思う。
もう何年も前から自主的にマンションの周りに花を植え住人から喜ばれている母、趣味を生かしてボランティアを楽しんでいる父、地域の青少年指導員をひょんな事から引き受け、平日の夜の会合や休日の祭りの手伝いにも仕事の疲れを理由に一度も休むことなく愚痴一つ言うこともなくこなしているダンナ、定年後に民生委員を引き受けて自分はあちこち痛みを抱えながらもがんばってるよ、と便りをくれた叔母。私の周りにもいっぱい見本がいるじゃないの。あれこれ考える前に、目の前のことを楽しんでやろう。楽しめなくなったらやめればいいじゃないか。