東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

こういうタイミングでこの本に出会うなんてこれは偶然?必然?
行きの新幹線で私の二才上の著者の子ども時代を、もう泣きたくなるような時代の懐かしさとともに(私の子ども時代はあんなにハチャメチャなものではなかったけれど)読みふけり、身内の葬式というリアルな体験の後、後半を帰りの新幹線で涙を抑えきれずに泣きながら読んだ。


著者が新幹線から東京に降り立ち、雑踏を歩きながら想う「ひとりひとりに家族がいて、大切にすべきものがあって、心の中に広大な宇宙を持ち、そして母親がいる」というくだりがある。


新横浜の階段を、ひきずるように重い、母が今日帰ったらラクできるでしょ、と作ったあまりにも多い1.5kの肉団子やジャムや冷凍サケと、父の手打ちそばの入ったカバンを抱えながら、カバンの重さを感じながら、この旅で味わったいっぱいの想いも抱えて下りた。