午前中仕事。午後、ここのところすれちがい生活だっただんなが山本周五郎賞をとったこの本を読んでから、前から見たい見たいと言っていた「明日の記憶」という映画につきあう。

明日の記憶

明日の記憶

 サラリーマンが、若年性アルツハイマーになっちゃう映画でしょ?筋わかっちゃってるじゃないの、それに救いがないじゃないのよ、治らない病気の話じゃ・・・と、見たいという度に言っていたのは私。


 それが、初めから最後まで、終わってからも、車の中でも泣き続けてたのは私。


涙の訳は、かわいそうだから、じゃない。いっぱいいっぱい考えさせられることがあって、胸がいっぱいになってしまって、今でも針でつつかれたらどばーっと気持ちがあふれてきそうで。


物語はひとつ、じゃない。 「社会的な死」「家族のあり方」「葛藤と混乱と受容」「生きることの意味」・・・

いろんな心理がこまかく描写されていて痛いほど伝わってきた。

この映画、多くの外国の映画祭からオファーが来ているというが、分かる気がする。


  
  救いがない、なんて思っていたけれど、最後のシーンで、ちゃんと救われた、と思えるところがあった。

 
 哀しいけれど、哀しすぎるけれど、本当に見て良かった。

 私の周りで起こるいろんなことに、明日からきっと、力を与えてくれる。

 
 余談だが・・・
 後ろに座っていた若いカップルが「ある意味ホラー映画より怖かった」と終わったとき話していた。
 それもひとつの感想でもある。